せせらぎの森でかくれんぼ
大樹の陰で鬼になる 遠ざかる声 「まあだだよ」 夏の終わりのかくれんぼ 「もういいかい」 って聞いたのに いつしか答えは聴こえない あたりにただよう静寂の 心細さに目を開けて 静止したよなうす雲に なぜだかしばらく動けない 丘の上から見渡せば うしろ姿が遠ざかる 独りでつぶやく 「見いつけた」 そして同時に見失う この瞬間がくることを わたしはどこかで知っていた 夕闇せまる地平線 金色の風 立ち尽くす わたしはどこまで鬼のまま 戻らない人をさがせない
by koholahanami
| 2012-09-18 23:11
| 花片
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